教えたい!プロも使う金属・コンクリートの接着剤「クイックメンダー」使い方まで徹底解説(ボンドのお話❶)

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伝説の店員「ナカガワ」が本音で語る…
もくじ

「ボンド」って言えば…
現代(いま)の世代は、アーニャの犬さん「ボンド」(アニメ「SPY×FAMILY」)をイメージすると思うけど…
昭和の若者は、不運なスパイ「ジェームズ・ボンド」(映画「007シリーズ」)を思い起こしちゃいます。
半世紀以上続いてるから、ボンド役の俳優さんも結構変わったけど…
6代目:ダニエル・クレイグさん、無骨な兵士(ソルジャー)って感じが現代風でしたね。
その前、5代目:ピアース・ブロスナンさん、ダンディでスマートなイケメンでした。
一人とばして、3代目:ロジャー・ムーアさんも好きだけど…
やっぱ、初代:ショーン・コネリーさん、リアルでタフ…そんなカッコいいスパイに憧れました。

おっと、いきなり脱線…仕切りなおして「ボンド」って言えば…黄色い容器に赤色のキャップ、木工用の白くて酸っぱい匂いがする…
「コニシのボンド」接着剤シリーズは、日本が主権を回復し(サンフランシスコ平和条約発効)、敗戦復興~高度経済成長へ向かう頃…1952(昭和27)年から開発を続けています。

一般家庭用はもちろん、家具・インテリア・建築・土木・車・スマホ・LED電球など多岐にわたり使用される優れた製品なんです。
ナカガワは、建材メーカーにいたので…
実験室や建築・土木の工事現場でも、か・な・り・お世話になりました。

もっとくわしく知りたいなぁって思ったら…
「コニシのボンド 商品情報サイト」を参照してください
金属・コンクリートの接着剤…
建築・土木で使用するポリマーセメントモルタル(厚みのうすいコンクリートのようなモノ)の接着強さ試験方法は、日本産業規格JIS A 1171に規定されます。
万能材料試験機で「供試体」を上下に引っ張り、破壊するまでの強さを測定する試験で…測定時に「供試体」と「鋼製試験治具」を貼りつける接着剤が、「2液性エポキシ樹脂接着剤」なんです。

この試験…1千回以上やりましたが、「供試体」が破壊されようと、「鋼製試験治具」と「2液性エポキシ樹脂接着剤」は一度も剥(は)がれたことがありません。(ほんと強力な接着剤なんです!)

2液性エポキシ樹脂接着剤の強さ…
接着剤の各種材料に対する引張せん断接着強さ試験方法は、日本産業規格JIS K 6850に規定されます。
※木材・コンクリートは、圧縮せん断接着強さ試験(JIS K 6852に規定)になります。
2液性エポキシ樹脂接着剤「ボンド クイックメンダー」は、金属(鋼と鋼)なら、指紋の範囲(約20㎜角)だけで接着しても、約1tf(10,160N)の接着強さがあります。(但し、接着面はツルツルではなく、粗面にした条件){20×20×25.4(カタログ値)÷9.8÷1000=約1tf(10,160N)}

例えば、コンクリート製の車止め(寸法180×600㎜)2個を「ボンド クイックメンダー」でコンクリート床(土間)に貼りつけた場合(単純計算ですが)…

仮に接着強さが、1N/㎜2だとすると…車止めが床に接着している強さは、2個あわせると約22tf(216 kN)です。{180×600×1×2÷1000÷9.8=約22tf(216 kN)}
床から車止めを剥がすには…ジェームズ・ボンドのように「ブガッティ ヴェイロン」に乗り換え、最高時速400㎞で突っ込む衝撃と覚悟が必要です。(ボンドカーのアストンマーチンだと最高時速340㎞のため、破壊できない){400×1000÷60÷60×1×2000÷9.8=約22tf(222kN)}

(実際はコンクリート製の車止めが先に破壊するけど…)
※力(ちから)のSI単位:ニュートン(N)=キロニュートン(kN)÷1000
※1999年以前によく使用されていた単位:トンフォース(tf)=キログラムフォース(㎏f)×1000
※1㎏f=9.8Nで換算
「ボンド クイックメンダー」の特徴

この接着剤…歯磨き粉のようなペースト状のエポキシ樹脂(主剤:白色)と硬化剤(黒色)を同量、混ぜて使用する2液性で、プラスチック・ゴム・皮革などの柔らかいモノ以外なら、金属・コンクリート(ひび割れの充填も可能)・タイル・石材・木材・ガラス(硬化収縮でひび割れるので10㎝角未満、自動車はダメ)、電気部品の絶縁接着等、なんでも貼りつけられます。
速硬化タイプ…なので、5分で硬化がはじまり、1時間で実用強度に達します。(諸条件により、強度発現が遅れるので24時間以上静置を推奨)
耐熱温度は-20〜80℃…なので日常生活の環境下で使用するには、問題ありません。(直射日光のあたる外壁や屋根、機械やエンジン周りなど高温になるモノには使用できません)
メーカー設定の有効期間は製造から2年間…しっかり密封しておけば長持ちします。(業務用の500gセット・1㎏セットは1年間とのこと…)

最新版の「クイックメンダー カタログ」を参照してください(画像出典:コニシ株式会社)
「ボンド クイックメンダー」の使い方
必要な道具を準備して…指やツメに接着剤がつくと簡単には剥がれないので、使い捨ての手袋を装着しましょう。

❶接着面(両面)の汚れ・油分・サビ等を除去し、よく乾燥させます。
(事前に接着面をヤスリ等で粗面にすると接着強度がアップします)
※コンクリートは、接着面の表層(弱い層がある)をヤスリ等で研磨してから、デッキブラシ等で水洗いしてください。(じゃないと…すぐに剥がれます)


❷板(プラスチック)の上で、チューブから主剤(白色)と硬化剤(黒色)を同量押し出します。
(この時点で混ざらないよう、少しだけ離して…)
※混ざると硬化します、特にチューブ・キャップの口(くち)につかないよう注意。

【ここから👇は、3分間以内で手際よく作業を行います!】
❸主剤(白色)と硬化剤(黒色)をヘラ(プラスチック)で素早く、よく混ぜます。
(最初は円を描くよう…よく練り混ぜて、均一なグレー色になれば準備ok)

❹接着剤をヘラに取り、接着面(両面)へ素早く塗りつけ、貼りあわせ、動かないよう固定します。
(厚みのうすいモノは、片面だけの塗りつけでもok)
※完全硬化すると剥がせません、失敗しないよう…接着位置、固定方法、塗りつけ方法を事前に決めて、段取りよく作業しましょう。
※接着剤をつけたくない部分、作業後ヘラについた接着剤に布テープを貼っておくと、硬化後、布テープを剥がすと接着剤も一緒に剥がれてくれるから、楽ちん♪
※高温時や直射日光にあたると急激に硬化します。かたくなった接着剤を使うと接着不良になるので止めましょう。
※貼りあわせ後、動かないよう布テープやクランプ等で固定してください。(1時間以上静置)


❺固定していたモノを外して…ハイッ、接着完了!
※はみ出した接着剤は、完全硬化する前にカッターナイフ等で切り込みを入れ、剥がしてください。
※完全硬化後に接着剤を剥がしたい時は、バーナー等で炙り、スクレーパー等で剥がしてください。

もっとくわしく知りたいなぁって思ったら…
「接着読本」を参照してください
最強の接着剤…
お探しか、知らんけど…べつに最強じゃなくても、実用するための強度と耐久性があれば充分じゃない。
DIYでモノを作ったり、修理して使い続ける…最強の接着剤をみつけて購入することが目的じゃないでしょ。
でも…DIYで作りたい、修理したい瞬間(とき)って…ないんだよね、おうちに使えるボンドが…
前に買ったヤツ…チューブの中で固まってたり、用途が違ったりして。
信頼できる品質(ブランド)で、汎用性があって、保存期間が長くて、使いたい瞬間に使える接着剤がベストなんじゃないかなぁ。

接着剤…種類多すぎ問題
今日も、ホームセンターの接着剤売場で心の声が聞こえてきます。
「えっ接着剤…種類多すぎっ」
「マジ…どれ買えばいんだよっ」
「う~ん…とりあえず、強いヤツどれ?」
「すぐ使いたいのに…調べるの時間かかるじゃん」
「ボンド クイックメンダー」を覚えておいてください。

ここまで読んでいただき…ありがとうございました♪
「You’re the best!」vol.09(2023.01.26)
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