革とは…?購入前の基礎知識のご紹介

革って色々あるし、なにがどう違うのかわからない…
革を使って何か作ってみたいけど、そもそも革ってなんなんだろう…

こんな風に思われる方もいらっしゃると思います。

今回はそんな疑問にお答えし、革の可能性を感じていただけたら幸いです!

革を使って何か作ってみたい!という方はこちらをお読みください!
(レザーはアークオアシスで販売しております。詳細は各店舗までお願いいたします。)

売り場イメージ:ヴィシーズ鴻巣店売場(2022/06現在)

ヴィシーズ鴻巣店 レザークラフト レザー売場

では早速、見ていきましょう!!

~革について~

1.代表的な革の特徴

2.よく聞く革の違い

3.購入の際の基礎用語・知識

4.ちょっと実験 ~小物トレイを作る~


~革の手入れ方法~



~革について~

代表的な革の特徴

豚革

薄くて軽い。
牛革と比較すると毛穴は目立ちやすいが通気性がある。

財布、バッグなど



牛革

豚革より固め。
毛穴は目立たちにくい。一般的に広く使われる。

バッグ、ベルトなど

カーフスキン
生後6か月程度の子牛の皮。
手触りがよく、牛革の中でも高級。



羊革

柔らかく、肌ざわりがよい。
初心者でも扱いやすい。

ラムスキン
生後1年未満。極めが細かく、羊革の中でも高級。

シープスキン
生後1年以上の羊革。



よく聞く革の違い

※写真はフェイクレザーを含むイメージです。

スウェード

床面(皮の裏側)をやすりなどで起毛させたもの。
毛足は短め。

靴や秋冬の服など



ベロア

床面(皮の裏側)をやすりなどで起毛させたもの。
スウェードより、毛足が長い。

アクセサリー、ドレスなど



エナメル

塗料でコーティング加工されているので、革本来の特徴はわかりにくい。

水に強いため、比較的手入れがしやすい。

靴や鞄など



ミンク

イタチ科の哺乳類の皮。
毛足は短め。毛が密集しているので、保温性などが優れている。

マフラー、ピアスのチャームなど

ムートン

羊の皮。
保温性や保湿性、撥水性もある。

ムートンブーツ、コートなど



購入の際の基礎用語・知識

先程ちらっと出てきましたが、レザーの表面と裏面、側面にはそれぞれ呼び方があります。

銀面(ぎんめん):表皮側。
床面(とこめん):皮下組織側。トコノールなどで毛羽立ちを抑えることも。
コバ:側面。革の淵の部分。コバを磨くと艶がでる(革によって差があります)。



なめすとは…

皮→革にする作業。
皮のままでは腐敗などしてしまうため、なめし剤を使って革にすることで柔軟性、耐久性などをあげます。



タンニンなめし

自然素材(タンニン)でなめす方法。

ヌメ革。染色や塗装がなく、革本来の良さが出やすい。

経年変化がわかりやすく楽しめます。

作るのに時間がかかり、けっこう高価です。



クロムなめし

化学薬品塩基性硫酸クロムでなめす方法。

クロムレザー。カラーバリエーションが豊富でタンニンなめしより短時間でできる。

経年変化はタンニンなめしよりわかりにくいです。



皮の単位

100㎜×100㎜=1ds

お店ではこの単位で売られていることが多いです。
はぎれ詰め合わせはg数などで売られています。

初心者はお買い得に色々な革を見ることができるはぎれの詰め合わせの購入をおすすめします。大きめの革が入っているものもあるので、ちょっとしたものなら十分作れます。

繋ぎ合わせてパッチワークにしてもかわいいですね。



刻印

刻印とは、レザーに柄を入れるための道具です。

刻印を使えば、簡単にイニシャルなどを入れることができ、自分のオリジナルのアイテムを作ることができます。

刻印に向いている革→ヌメ革(跡がしっかり付きやすい)
ヌメ革以外は刻印が不可というわけではありませんが、跡が比較的つきにくいです。

刻印でイニシャルなどを入れるのは比較的簡単です。
試しにやってみたい程度なら100円ショップなどに売っているABS樹脂製などのクッキーのスタンプでもできますが、
ABS樹脂製のものより、金属性のものの方が力も入れやすいので、跡がつきやすいです。

金属製の刻印はコチラ

元から模様のついた状態で売っている革もあるので、
刻印の道具を揃えるのは…という方には元から模様のついたものもあるため、そちらもおすすめです。

本格的にカービング(刻印などを使って彫刻すること)をするとこんなこと風になります!



ミシンで縫いやすい革

ミシンで縫うには、柔軟性があり、ハリのある革が縫いやすいです。(厚みは1㎜2㎜程度の薄いもの)

加工のされていない革がよいです。

当て布や裏布を使うことで縫いやすくなります。

羊革は柔らかすぎるため、ミシンでは少し扱いにくいです。
エナメルも滑りが悪いため縫いにくく、ミシンには向いていません。



革の特性

まず、革はとてもデリケートです。

との相性
水に濡らすことで伸縮性が出ます。
水の可塑性を利用して、ヌメ革などを水に濡らして立体にする方法もあります(立体形成)。
立体形成の際は、革の中に入っている油が溶けてしまうため、水に長時間つけたままにはしないように。

との相性
一言でいうと相性は良くないです。
ひびの原因になります。革へのダメージは大きいです。

高級な革はなにが違うのか…?
傷の有無などが挙げられます。また手作業でなめしの工程を行っているところもあるなど作業の手間暇がかかっていたり、元の素材自体が良質だったりということも挙げられます。
革の扱いに慣れてきたら是非使ってみてください!

初心者は、最初から高い革に挑戦するのはコスト的なリスクが高いので、はぎれや比較的価格が低く扱いやすい羊ややぎの革から慣れていくことをおすすめします!



ちょっと実験 ~小物トレイを作る~

一般的に相性が悪いとされていますが、革を火で炙ってみたらどうなるのでしょうか…?
ちょっと実験してみました。
実験を行う際は…
※火の扱いにはご注意ください。
※外など広いところで、周り注意して行ってください。




下線のある材料名をクリックで商品ページに移動します。
※取り扱いは商品検索の取り扱い店舗のご案内を見ていただくか、各店舗にご確認ください。
※ビバホーム商品検索の取り扱い店舗検索で取り扱いありとなっていてもタイミングにより在庫がない場合がございますので、タイムリーな在庫状況は各店舗にお問い合わせください。



今回使用したもの



今回は豚革と牛革を使って実験してみました!

ヴィシーズ鴻巣店 レザークラフト レザー売場

トーチバーナーで炙ってみると…レザーが縮んでいきます!

革の実験

曲がりました!
ですが、焦げなどが目立ちますね。



応用してトレイを作ってみました!

①レザーを型(火に強いもの)に合わせて大きめにカットする

②型にレザーをセット

③ずれないように固定し、周りに注意してバーナーでレザーの淵の方から軽く炙る

レザートレイ 革トレイ

(最初から上手く型通りに縮めるのは難しいかと思います。)

このままでは…という方はここから修正を加えます。

④縮んだ分、歪みが生じたら、はさみなどで淵をカットして整えます。

⑤100〜400番程度のやすりでやすりがけをし、淵をきれいにします。

⑥トコノールなどの仕上げ剤を淵と床面に指やヘラで薄く塗り広げ、ガラス板や帆布で磨いてください。

※仕上げ剤が銀面につくと、シミになることがあるので付かないようにご注意ください。
ついてしまった場合はティッシュなどで素早くふき取ってください。



良い点
革自体が縮んでいるため、変形はしにくい。
縫い目がなくシンプルなものが作れる。

悪い点
ひび割れが生じやすい。
コバなどが焦げてしまうと、トコノールなどを使用してもきれいにならない。

焼き鳥の皮をイメージすると、この結果は納得ですね!
焦げやひび割れが生じるため、やはり革と火は相性は良くはないですね。

しかし、実験としては面白い結果になりました!



~革の手入れ方法~

革による手入れの方法は基本どの革も同じです。

油分が抜けることが、革がボロボロになる原因のため、定期的に革に油分を補給してあげましょう。

ローションタイプクリームタイプワックスシートなど様々な手入れグッズがあります。

お財布などはよく触るため、過度な手入れは不要です。

手入れにはレザーと同様の動物性の油がよいです。

代用品としてニベアワセリンが挙げられますが、こちらは植物由来だったり植石油由来だったりのためおすすめはできません。(水や汚れをはじくようにするため、という意味では効果はあります。)



あとがき

革と一言でいっても、いろんな種類、技法があって革の奥の深さが少しでも伝わりましたでしょうか…?

こちらで、革で何か作ってみたい!と思われた方は、こちらで初心者でも簡単にできるレザークラフトをご紹介しているので挑戦してみてください!手軽に始めることができます!